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スウェーデン

9. 社内公募制度のインパクト




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勤めていた会社が突然スウェーデン企業の傘下に。スウェーデン人やその他の国の人たちと一緒に働いて感じたことを記事にしています。

社内公募制度は、自分のキャリアに自由度と可能性を与えてくれます。でもここでは同時に起こった社内公募制度のインパクトについて記載します。

組織の序列階層(ヒエラルキー)

実はスウェーデングループの組織には明確な序列階層(ヒエラルキー)があります。組織を構成する責任者の肩書は、以下のように決まっています。


偉い順に:
・President/CEO:グループのトップです。
・Executive vice president(EVP):President/CEOにレポートする人
・Senior vice president(SVP):EVPにレポートする人
・Vice president(VP):SVPにレポートする人
・Director:VPにレポートする人(小さな組織の場合に省略されることがある)
・Senior Manager (General Manager):Directorにレポートする人(小さな組織の場合に省略されることがある)
・Manager:部下が一般従業員である管理職(First Line Manager)


日本の組織の大変更

日本の会社組織全体を統括するトップとなる方がスウェーデンからやってきました。グループのEVPの一人です。早速、彼は自分の配下となるSVPの社内公募を公開します。日本の組織でそれまでトップだった社長は、この時からこのEVPにレポートする一人になりました。それまでの他の役員さん達はカルチャーショックで大変だったんだろうと察します。(正直心中は知らないですが。)

役員さん達も(いや、おそらく日本人全員が)、それまで自分からポジションへ応募して採用してもらう経験なんて無かったと思います。たとえ社内公募が公開されていたとしても、きっと今までと同じように(裏でEVPと社長が話し合ってくれて、自分に声掛け「このポジションに応募しなよ」とかしてくれるのでないか)、そして晴れて自分のポジションは確保される・・・なんて思っていたのでは・・・

実際のところはよく分かりませんが、社内公募が終了した結果として、ほとんどの日本人役員さん達が選ばれていませんでした。多くの外国人と英語が堪能な知らない日本人が中心。

SVP決定後には即座に次のステップへ。VPが公募され、Directorが公募され、と続きます。特にそれまで日本で管理職だった皆さんは、たぶん大慌て、うかうかしていると自分のポジションが無くなります。

皆さん、慣れない中で多くの方はひょっとすると初めて自分の経歴書などを作成して、ここぞと思うポジションに応募を始めたみたいでした。

IT組織もガラガラポン

IT組織はグローバルに別のEVPの方がいらっしゃいます。日本のITチームも、そのグローバルのIT組織の一部になっていたので、先程の日本の組織・大変更に含まれない。対象外でした。そのためインパクトはありませんでしたので人ごとのように見ていたのですが・・・ほっとしていたのもつかの間、グローバルのIT組織そのものも同様にガラガラポンが始まりました。

グローバルIT組織の構成が突然見直しされ再構築されることが展開されます。日本会社組織と同様にまずEVPだけが決まっていて、世界中に向けてSVPが公募されます。(もし自分がここで応募して合格でもしてたらいきなりSVPだったかも? 夢物語ですが少なくても応募だけはできる制度です。)

SVP~Managerまでの全ての序列階層について再構築が進み社内公募が無事終了します。かなりの数の新しい役職者が採用されました、と同時にかなりの数の元役職者が不採用でした。グローバルIT組織がガラガラポンされ新しい組織の序列階層が誕生しました。

組織を再構築することで、それまでの管理職は、全員一度役職から離れ、新しく役職を取りに行く活動が求められます。一度管理職になっても残念ながら決して安泰ではなく、たぶん定期的に起こるであろう組織変更の大きな波を乗り越えて管理職であり続けることが必要なんですね。

Line Managerもたえず自己研鑽が必要です。仮に不幸にも管理職から脱落してしまったとしても、もちろんそれで終わりではありません。Line Managerもジョブロールのひとつですので何度でも再チャレンジができるのです。管理職の道を極め続けるのも、他のジョブロールへ移るのもOKなんです。

スウェーデンのグループ会社は柔軟性のある組織を志向し、それをダイナミックに変容させます。そのインパクトは非常に大きく常に緊張感が求められますね。

スウェーデン人と働いて感じたこと
0. スウェーデン人と働いて感じたこと
1. ある日突然上司がスウェーデン人
2. 英語が何とかなる人、そうでもない人
3. 英語にもいろいろあります
4. Attractive Work Place(魅力的な職場)
5. 自分のキャリアは自分で切り開く
6. ハードワークってほめ言葉?
7. カルチャーショックは現実に(キャリアとジョブロール)
8. Learning Opportunities(学習の機会)
9. 社内公募制度のインパクト

・続く・・・

8. Learning Opportunities(学習の機会)
自分のキャリアを上げていくために、実践で経験を積むことに加えて、ここでは知識や技術を学習する機会、グローバルで提供されていたLearning Opportunities(学習の機会)についてまとめました。
10. 仕事のやり方が変わる!
スウェーデンのインパクトが徐々に浸透してきます。グローバル共通システムに加え、リンクした業務プロセスがセットで日本のITチームにも導入されてきます。それにより自分たちの仕事のやり方が変わります。



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フリーランス

働いていた会社が外資になり10年間外国人と一緒に働きました。

今は好きでIT学習やプロボノ活動をリモートでしています。

このサイトでは今までの経験や学んだITの事例などを紹介します。

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